着物の基本(着物(きもの)の着付けやデザイン基礎知識)

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着物の基本

華やかな着物から、渋い着物、最近ではテレビや雑誌で着物姿を見かけることが多くなりました。着物の着姿からは想像しにくいですが、着物や帯って身に纏ってない状態がどのようなものかご存知でしょうか?布屋さんに行って布を広げる感じと、箪笥から着物を取り出して広げる感じは似ています。帯も胴体に巻いてしまうと分かりにくいですが、長いただの一本の布なのです。

洋服のように、ボタンがあるわけでもないのにどうやって着ているのだろう…着物を着たことがない人には未知の世界だと思います。実際、着物は数本の紐を使って着付けていきます。初めて着付けをしてもらったとき、紐ってこんな使われ方もするんだなあ、などと感心したのを覚えています。

着物を着るのに必要なもの

まずは着物の基本です。着物を着る際には紐が必要。というところまでは何となく分かってもらえたかと思います。では、着物と帯と紐があれば着物は着れるのかと言えば、そうではありません。

着物を着るには揃えるものがいくつかあります。着物を着ている人を見てみると、首元に襟のようなものがありますよね。あれは着物に付いているものではありません。実は、着物の下に襦袢という下着のようなものを着ており、その襟に半衿と呼ばれるハギレのような布を縫い付けて外に見せているのです。

着物に興味を持ち始めた当初は、半衿をわざわざ縫わなければいけないということが信じられませんでしたが、毎回着物に合わせた色とりどりの半衿を選んで縫う、というのが、着物の世界では常識であり、その合わせ方がセンスの光る部分でもあるのです。

他にも、着物を着るためには、帯紐、帯揚げ、帯枕、足袋、履物などを準備する必要があります。それらを使って、きれいな着姿を完成させるのはとても大変で、初めのうちは30分~1時間くらいかかってしまう人もいるようです。しかし、慣れてしまえばとても簡単で、10分もあれば着ることができてしまいます。

着物の種類

着物の基本として、次に知っておいて欲しいのは着物の種類です。洋服に、部屋着、通勤・通学服、普段着、デート着、フォーマル服があるのと同じように、着物にもその時々に合った着物というものが存在します。

また、春夏秋冬に合わせて、半袖や長袖、薄着や厚着を使いこなすように、着物にも季節に合わせた装いというものがあります。衣替えという言葉がありますが、洋服ではキッチリとその境界は引かれていません。

夏に長袖の洋服を着ていても、常識外れとまでは言われません。しかし、着物の場合は少し厳しいようです。

季節の移り変わりに合わせて、着物も変えていく必要があります。昔はそれこそ厳しかった着物の衣替えだと思いますが、現代では季節も変化し、冬なのに暖かかったり、夏なのに肌寒かったりしますから、昔ほど衣替えに関してキッチリしなければいけないという感じはなくなってきました。

それでも、真夏に冬の着物を着ているというような人は見ている側としても暑苦しさを覚えますので、ある程度は季節を考えて着物を着たほうがいいとは思います。

着物に慣れてくると「楽しみ」に

ここまで来ると、着物にはいろいろな決まり事があって面倒くさそう…と思う人も出てくるでしょう。しかし、今お話したようなことというのは、着物に慣れてくると「楽しみ」に変わります。

チマチマと半衿を縫う作業や、季節に合わせて着物を箪笥から探す行為自体を楽しめるようになります。また、着物はちょっとしたお洒落を加えるだけで、別の着こなし方も可能です。

着物や帯は高くてたくさん買えなくても、帯揚げや帯締め、半衿などのリーズナブルなものをいろいろ集めて、その日の気分で組み合わせ方を変えたりしておしゃれを楽しむことができますよ。

着物の歴史

着物の歴史はとても長くから続いています。現代のわたしたちが「着物」と呼んでいるような着物のはじまりは、平安時代のようです。

この頃の着物は、今で言う十二単のようなもので、寒ければ何枚も重ね着をし、熱ければ通気性のよい素材の着物を纏っていたようです。

何枚もの重ね着の着物は、ただ単に寒さをしのぐためだけではなく、重なり合う着物の美しさや、着物でその季節を表現しようとする思いも込められていたようです。テレビなどで十二単のような着物を身に纏っている人の姿を見ると、平安時代の優雅な感じがなんとなく伝わってきますよね。

平安時代はのほほんとすることができましたが、時代が変わり、武士の時代になってくると、着物のスタイルも変わってきます。何枚も身に纏うという着物では、生活上不便を感じてしまうため、現代のような着物の着方になりました。このころになると商業も栄え、着物屋さん、呉服屋さんの原型となるようなお店も出てきます。

現代でも着られている木綿の着物

現代でも着られている着物に、木綿の着物がありますが、この木綿は実は歴史は浅く、江戸時代に入ってから普及するようになりました。それまでは麻などの素材で(ちょっと高級になると絹など)着物が作られていたようです。

アンティーク着物の代名詞とも言える「銘仙」これは明治時代になってから全国へ広まっていったとされています。銘仙は先染めの絹織り着物で、当時は流行となったようです。

銘仙の鮮やかな色彩や模様を眺めていると、それだけでウットリしてしまうと同時に、昔の職人の技に感心させられるばかりです。アンティーク着物を着ると、昔にタイムスリップしたように感じてしまうものです。

大正ロマンという言葉があるように、大正の時代の着物は華やかで、その絵柄にも面白いものがあったりと、現代のわたしたちにはとても新鮮に映ります。着物を着たい!と思うようになった人の中には、この大正ロマンな着物に魅了されて、という人も少なくないはずです。この時代は、ファッションとして着物が流行したため、今その時期の着物を見ても、おしゃれだなあ、と感じさせるものが多いのが特徴です。

着物はとても歴史のあるもの

着物はとても歴史のあるものです。少し前の日本では、その伝統ある着物の存在がとても遠いものでしたが、最近では着物ブームとなって復活してきています。

ファッションの流行は巡るというため、今になって着物が流行っても、それは普通のことだという気がします。現代では着物は「特別なもの」という意識が高いですが、いつか、普段着の選択肢の中に「着物」というカテゴリーが増えていくといいのになあ、と個人的に願っています。

着物を着るときの髪型

着物を着るときには髪型も着物仕様にしたいものですよね。着物仕様といっても、昔の人のようなモッコリとした髪型や、旅館の女将さんのようなキチッとした髪型にしなければいけないということではありません。

現代には現代に合った着物の楽しみ方があるのと同様に、髪型も着物仕様だからといって特別にしなければいけないものがあるわけではありません。

いつもよりおしゃれして髪をまとめてみたり、かんざしや髪飾りをあしらってみたり、そういうちょっとした楽しみ方が、着物仕様の髪型に自然となっていくものです。

そのため、形式にとらわれずに、自分が楽しみたいようなおしゃれを、髪にもしてあげましょう。洋服を着ているときと同じでいいと思いますよ。

かんざしの使い方

着物といえばかんざし、ですよね。かんざし一本で髪をまとめている女性を見かけると恰好いいなあ、と思います。かんざしはとても便利なもので、一本あればどんな髪型も自由自在にできるそうです。

かんざし一本で髪をセットするには、ある程度の髪の毛の長さとテクニックが必要です。難しいものではないので、日頃から髪の毛をアレンジさせて遊ぶことが好きな人であればちょっと練習すればすぐにできるようになるかと思います。髪の毛が短い人や、アレンジ下手の人には、アクセントとしてのかんざしの使い方をお勧めします。

髪ゴムで普通にお団子を結い、そこにかんざしを挿してみるだけで、グッと可愛くなりますよ。かんざしには、大きな飾りがついていたり、揺れるようなアクセサリー感覚のかんざしなど、いろいろなものがありますので、お店で選んでみてはいかがでしょうか。

着物にあう髪型

着物にあう髪型に、夜会巻きというものがあります。

髪の毛にボリュームが出て、着物姿との相性がとてもいい髪型です。夜会巻きをセットしやすいコームや、ボリュームをうまく出せない人のために髪の毛の中に入れてボリュームを出すものまで、今ではいろいろと売られていますので、それらを使って挑戦してみるのもいいかもしれません。

しかし、この髪型はさりげなくするの方がいいでしょう。あまりコテコテにセットしてしまいますと、普段着感覚で着物を着る場合には、髪型だけが浮いてしまう可能性もあります。とは言っても、結婚パーティーなどの華やかな席では、やはり、凝った髪型も素敵だとは思いますよ。

髪をおろして着物と合わせてみるのも粋

着物に合わせる髪形は、なにも毎回アップして華やかにする必要はありません。たまには髪をおろして着物と合わせてみるのも粋なものです。

場合にもよりますが、髪をおろすときには、衣紋をあまり抜かずに着物を着たほうが野暮っぽくならないような気がします。サイドにさりげなく飾りピンでもつければ、それだけでしっとり可愛い印象になります。また、髪が短い人でも、ウィッグをつけて着物のときだけ長い髪の毛でおしゃれをするのも楽しそうですね!

着物だけではなく、おしゃれの幅を髪型まで伸ばしてみると、着物を着ることがもっともっと楽しく、身近なものになるはずです。

着物の種類とTPO

着物の種類はいろいろなものにわけることができます。ここでは、TPOに合わせた着物選びができるように、それに沿った着物の種類を紹介していきたいと思います。まず、大きくわけると、留袖、振袖、訪問着、色無地、小紋、紬のように分類できます。それぞれがどのような着物なのかを説明していきましょう。

留袖とは

留袖というものは、黒留袖、色留袖とさらに分類することも可能です。黒留袖は、既婚女性の第一礼装として格が与えられているものです。結婚式などで親族がよく着ているあの着物です。呼ばれの通り黒地で、紋が五つつきます。この紋の数というのは、多いほどに格が高くなります。黒留袖の五つ紋は、一番上の格で、他には、三つ紋、一つ紋があります。色留袖は、未婚女性も着ることができる留袖です。黒留袖と変わらず、この色留袖も第一礼装として着ることができ、紋を三つ紋一つ紋と減らせば、訪問着(後に触れます)のように略礼装としても着ることができます。

振袖とは

振袖は成人式で多くの女性が着るので馴染み深いものかもしれませんね。この振袖は、五つ紋の色留袖同様に未婚女性の第一礼装として着ることができます。振袖は、その柄の模様にも魅入ってしまうほどの豪華さを持っており、女性であれば憧れる着物でもあります。成人式で着物を着れなかったという女性も、未婚であれば友人や家族の結婚式で着ることができますので、是非憧れの振袖を纏ってみて欲しいです。

訪問着とは

訪問着は、先ほど少し出てきましたが、第一礼装に代わる略礼装になります。この訪問着は未婚既婚問わず着ることができ、結婚式のお呼ばれ着物からちょっとしたパーティーなどにも着ていくことができます。一枚訪問着を持っていれば、かしこまった席に行くときには大変重宝することと思います。

色無地とは

色無地の着物というのは、一色で染めた着物のことを言います。色無地は紋をつけることによって格があがり、結婚式などのお呼ばれの席や、色によっては法事などの席でも着ることができます。

紋を入れなければ、おしゃれ着として普段も着ることができます。この色無地の魅力的なところは、いろいろな場に着て行くことができるということももちろんなのですが、染めかえることができるという点です。染めを抜いて、新しい色に染めかえることができるため、経済的ですし、思い出の一着としていつまでも手元に残しつつ、色を染めかえておばあちゃんになっても着ることができます。

ただ、色無地ですから、模様がなく無地なので、コーディネートによっては地味に見えてしまうこともあります。そのため、若い女性では、帯にインパクトのあるものを持ってきて華やかさを出すなどの工夫をしている人が多いです。

小紋とは

小紋はとても気軽に着られる着物になります。とは言っても、普段着感覚の着物の中では格が上で、ちょっとしたパーティーなどに着て行くことができます。友人のこじんまりとした結婚パーティーなどであれば、小紋でもギリギリ大丈夫な感じです。また、歌舞伎やクラシックを鑑賞しに行くときなど、ちょっとおしゃれをして出かけたいときにも向いています。小紋は、着物の全体的に模様が入っているため、とても可愛らしい印象を受ける着物です。

紬とは

紬という織りの着物があります。この着物は本当に普段着感覚で着られる着物になります。染めの着物と比べると、織って模様を出しますので(模様がないものもあります)、少し地味な印象を受けるかもしれませんが、着物が地味なぶん、コーディネートによっては一番遊ぶことができるのが紬です。

まだまだある着物の分類

着物の分類は他にもできます。季節や仕立て方、素材によっても分類することも可能です。実際に着物を着るようになると、様々な着物に触れる機会が出てくるかと思います。その機会を通して、自然と知識はついてきます。そのため、ここでは最低限、TPOに合わせた着物の種類を紹介してみましたが、格などにとらわれず、普段着として自分が着たい着物を着るようにしましょう。その方が楽しめると思います。TPOについては、頭の片隅にでも入れておいてくださいね。

着物と季節の楽しみ方

洋服に衣替えがあるように、着物も季節によって着られるものが変わってきます。着物の衣替えというのは、洋服と違って細かい決まりごとが存在していますが、現在ではそのような決まりにあまりとらわれず、洋服と同じように、肌寒い時には厚地の着物を、暑い時には薄手の着物を、というように変わってきています。

とは言っても、年配の方たちにとっては、そのような着物の着方をよく思わない方も多々います。そのため、これはさすがにマズイだろう、というような着物の着方は控えるべきだとは思います。これもひとつのマナーですので、たかが衣替え、と思わず、最低限のことは知っておいた方がいいでしょう。

しかし、あまりガチガチに意識してしまうと着物が詰まらないものになってしまうと思いますので、自然に季節を意識した着こなしができるようになるといいですね。

袷の着物と単衣の着物、薄ものの着物

着物は大きくわけると、袷の着物と単衣の着物、薄ものの着物があります。袷の着物は10~5月という冬から春にかけての着物です。単衣の着物は5~6月、9月~10月に着ます。

そして、薄ものの着物は、だいたい7~8月に着る着物になります。袷は着られる期間が長いのですが、他の着物は1~2ヶ月しか着られません。たったその期間のためだけにその時期専用の着物を購入するのは馬鹿らしいと感じる人もいるかもしれません。

しかし、こういった、短い季節の移り変わりを、着物によって体感し楽しむ、という行為が、着物の魅力のひとつでもあり、醍醐味でもあります。きっちりと季節をわけることはできませんし、昔と今の日本の気候は大きく変わってきています。そのため、無理に合わせる必要もないのですが、このようなことを意識しながら着物を選ぶことで、その日の天気や気温、自然や行事ごとにも目を向けられるようになります。

日々忙しく過ごしてしまいがちな何気ない毎日ですが、着物と生活をしていくことで、新たな発見もあったりしますよ。

着物の柄や模様

着物の魅力、醍醐味の話を少ししましたが、着物の柄や模様にも、その素晴らしさが溢れています。描かれている植物や動物、風景が、その季節限定のものが多いからです。

特に、アンティーク着物と呼ばれる昔の着物には、昔からこんな素敵な着物があったのかと思わせるような鮮やかな色で、季節の花や、風物詩などの絵柄が描かれており、ため息ものです。このような着物をその季節だけ着る、という贅沢さも魅力的ですし、素敵な絵柄の着物を探し出すことも楽しみのひとつになるかと思います。また、行事に合わせて着ていく着物を探す行為も楽しいものです。

たとえば、お花見に着物を着ていく場合などに、キレイな桜柄の入った着物を着ていくのもそれはそれで素敵ですし、あえて外して、滅多にお目にかかることのないような、お団子の絵柄の帯を選んでみたりするのも、粋かもしれません。中には面白柄で、昔の花見風景が描かれている着物や帯なんかも探せばあるかもしれません。そういうちょっとした楽しみを探しながら、いつまでも季節に敏感でいられるというのも着物の魅力だったりします。

季節に合わせたコーディネートを楽しもう

着物と季節を考えたときに、いろいろな決まりがあって面倒くさそうと思うか、季節に合わせたコーディネートを考えるのが楽しそうと考えるか。

着物を心から楽しめる人とそうでない人の違いはここにあると思います。決まり事も時には大切ですが、まずはそういった楽しみから着物の世界へと踏み込んでみてはいかがでしょう。着物を楽しんで着ていると、自然に決まり事を取り入れていけるものですよ。


着物で使われる用語集

着物の世界には難しい用語がたくさん出てきます。それらの用語を前にして、着物の熱が冷めてしまわないよう、ここではわたしが実際にぶつかって挫折しそうになった用語について、あいうえお順で紹介していきたいと思います。

袷(あわせ)

10~5月に着る着物。裏地がついていて、この裏地の色に凝るのも楽しいですよ!

薄もの(うすもの)

7~8月にかけて着る着物。絽(ろ)や紗(しゃ)などの着物があり、透けます。そのため、透けてみえる襦袢の色や柄を選ぶのも楽しいです。

上前(うわまえ)

着物の左側の衿(前身ごろ)のこと。着物を着たときに上になる部分をいいます。着付けのときによく出てくる用語です。

衣紋(えもん)

着物の衿の首の後ろの部分のこと。この部分を多く見せるように着ることを、衣紋を抜くと言います。これも着付けのときに出てくる用語です。

衿芯(えりしん)

襦袢の衿と半衿の間に入れる、芯のこと。最近ではプラスチック使用のものが多いです。これを入れないと、衿がフニャフニャしてしまいます。

おはしょり

着物の長さを調節するためにできる部分のこと。帯の下に見られるたるみのことで、浴衣などではおはしょりをとらない場合が多い。

帯揚げ(おびあげ)

帯枕を包んで、帯の上の胸元で結ぶ(もしくは畳む)もの。おしゃれのセンスが光るものでもあり、色や模様で着物のアクセントとなります。

帯板(おびいた)

帯の中に入れたり、帯と着物の間に挟んで帯にしわが寄らないようにするもの。外から見えないものでありますが、最近では可愛らしい絵柄がプリントされた帯板も販売されていますよ。

帯締め(おびじめ)

お太鼓を支える紐。帯はこの帯締めと帯枕の紐だけで固定されることになるため、重要な道具のひとつ。帯締めにもいろいろな種類があり、好みに合わせて選ぶことができます。

帯枕(おびまくら)

帯を支えるための道具。お太鼓の山はこの帯枕があることによってできています。角だしと呼ばれる帯結びなどでは帯枕を使わないため、この山はできません。

腰紐(こしひも)

着物を着付ける際に使う紐。外からは見えないため、腰紐の代わりにストキングを代用している人もいるようですよ。

こはぜ

足袋を留める金具のこと。このこはぜがない、靴下タイプの足袋も履きやすいです。ちょっと普段着で着物を着るなら靴下タイプもお勧めです。

裾よけ

下半身の下着。襦袢の下に着るもので、巻きスカートのように腰に巻きつけて使います。

伊達締め

襦袢、着物の胸元をおさえるための道具。胸元が乱れないように、上から撫でるようにしてあて、締めます。人によっては伊達締めは使わない人もいます。

畳紙(たとうし)

着物を保管するための和紙でできた紙。これに包んで箪笥などに収納します。

たれ

お太鼓を作ったときに、下に出る部分のこと。着付けの際に、この用語が出てきます。

対丈(ついたけ)

おはしょりを作らない着方。浴衣などは対丈で着るのが普通です。

手(て)

帯結びの際に、胴体に巻くほうの先端部分。その反対側をたれと言います。

長襦袢(ながじゅばん)

着物の下に着るもの。この襦袢の衿に半衿を縫いつけます。上下でわかれている襦袢もあり、それは二部式襦袢などと呼ばれています。

羽織(羽織)

防寒着として着物の上に着るもの。おしゃれな色柄ものが多く、羽織を選ぶのも楽しいですよ。また、羽織の前を留めるための紐を羽織紐と言います。

八掛(はっかけ)

着物の裏地の部分。歩くときなどにチラリと見えるので、ここの色にこだわるおしゃれもあります。

半衿(はんえり)

襦袢に縫い付ける布のこと。いろいろな柄や素材があり、帯揚げなどと同様に着物のおしゃれを楽しむことができます。レース素材のものなどは夏場に涼しげな印象を与えてくれます。

単衣(ひとえ)

裏地のない着物。木綿の単衣着物はオールシーズン着れますが、それ以外の場合は6月、9月頃の着物です。

着物に関する体験談

わたしが着物に目覚めたのは今から5年前のことです。

それまでは、特に着物には興味がなく、淡い色の無地の着物などは、年配の人だけが着るものだと思っていました。かしこまった席で着ている、黒くて背中に白抜きされた模様がある着物(今思えば黒留袖のことですね)だけは、恰好いいなあ、などと思っていたことはありましたが、それは興味とはほど遠いものでした。

そんなわたしがある日突然着物を一式、帯から道具まで購入してしまいました。全部合わせて30万円くらいだったと思います。誰かに勧誘されて無理やり購入…ということではなく、着物屋さんに飾られていたディスプレイがあまりにも素敵で、自分も着物を着たい!と思ってしまったんです。

恐る恐る店員さんに話しかけると、試着させてもらうことになり、初めて着物を着ました(成人式で振袖は着なかったので)。そうしたら、お世辞抜きで似合うんです。自分で言うのも何ですが、わたしは着物向きだ、とそのとき瞬時に思いました。

そのとき立ち寄ったお店はとても親切な若い店員さんばかりで、着付けができない、と話したら無料で教えてくれる、とのことでした。それから何度かそのお店に通い、わたしは着付けを教えてもらっていたんですが、なかなか初めは難しく、帯結びのときに手が攣りそうになったり、おはしょりの処理がどうしても上手くできなかったりと、苦戦しました。

それでも絶対に着れるようになってやる!と思い、日々練習。

まだひとりで着付けができる状態ではないにもかかわらず、いろいろな着物屋さんに行っては着物や帯を購入していました。そのため、早く購入した着物を着てどこかに出かけたかった、という思いもあって、5回くらいそのお店に通うと自分でも着付けができるようになりました。

着物を着始めた頃はアンティーク着物にどっぷりはまっていました。安く手に入る、というのも嬉しかったし、何よりも鮮やかな色彩に心を奪われてしまっていました。ネットオークションなどでもアンティーク着物を落札して、状態が悪い着物などは自分で直したり、ほどいてバッグなどの小物を作ってみたり、着物を着ること以外でも楽しみは増えていきました。

一年くらいはアンティーク着物ばっかりだったのですが、次第にもう少し落ち着いた着物が着たい、と思うようになりました。わたしは普段着としてしか着物を着ていなかったので、訪問着や小紋というようなよそ行きの着物は持っておらず、でもいつかのためにひとつちゃんとしたものを仕立ててもらってもいいかもなあと思いました。

そこで、いつもは行かないような、ちょっと上品な感じのする着物屋さんに足を運んだんです。よく調べていかなかったので、お店の門をくぐってから、そこが紬の着物専門店だということを知りました。紬の着物というのは普段着に着るような着物なので、訪問着とか小紋とかを考えていたわたしは、失敗したなあ、と思ったのですが、紬の着物を手にしてみると、すごく好みだったんです。

紬の着物を仕立てようか、と心変わりして、どうしようか悩んだ挙句、結局わたしは紬の着物を仕立ててもらうことにしました。反物(生地のこと)を畳の上に広げて、あれもいい、これもいいと選びながら、実際に仕立てあがったときのように店員さんが反物を身体にあててくれたり、雑誌に載っている着物を実際に見せてもらって、素敵!素敵!とはしゃいだり。

わたしはすっかり紬のトリコになってしまったんですね。また、このときのお店の雰囲気や店員さんも素敵で、是非、初めてのお誂え着物はここにお願いしたい!と思ったのです。このときは帯や小物もついつい購入してしまい、結構な金額を使ってしまいましたが、わたしは一度も後悔していません。

自分のために仕立てた着物というのは、本当に着ていて気持ちがよく、着付けやすかったりもしますし、袖が短くて手首が見えちゃうなんてこともなく、仕立ててもらってよかったなあと思っています。

着物に興味のない人から見たら、なんてお金の使い方をしているんだ!と言われそうですが、着物好きであるなら、一度はお誂えものをお願いしてみるのもいいかと思います。アンティーク着物や現代ものの着物ももちろん素敵ですが、世界にひとつしかない自分だけの着物も特別で大切なものになりますよ。

着物を着るようになって、お友だちも増えました。今までは会社の同僚や大学時代の友人が全てでしたが、着物を通じていろいろな生活をしている人たちと知り合うようになったのです。

その結果、視野も広がりました。また、日本の文化・伝統にも興味が向くようになり、着物で歌舞伎を観にいったり、歴史のある場所に訪れてみたりと、日本人でよかった!というと大袈裟かもしれませんが、本当にそう思えるようにもなりました。

今では月に一回くらいのペースでしか着物を着ていませんが、日本人として自分で着付けができるということはとても嬉しく思っていますし、着物に出会えてよかったと感じています。これから着物を着てみたい!と思っている若い人たちにも、是非、着物の素敵な魅力を味わってもらいたいですね。そして、日本のことをもっともっと好きになりましょう!

着物の選び方のコツ

着物を選びに呉服屋さんに行くのは少し勇気のいることです。あの狭い空間に自分と年配の店員さんだけ、しかも着物のこともよくわからないし…などと思ってしまいますよね。安心してください。最近では、デパートの中の洋服のお店のように、着物のお店も増えてきています。デパート以外の場所でも、アンティーク着物などを取り扱っている個人のお店などもあり、そのようなところへは、古着屋さんに行く感覚でお店を覘くことができますよ。

一番初めに着物を購入するなら

まず一番初めに着物を購入するのであれば、高価な何十万円、何百万円の着物を選ぶのではなく、お手ごろな価格の着物を選ぶことが大切です。

初めのうちは着付けの練習をしたりしますから、いきなり高価なものを購入してしまうには早いです。アンティーク着物などは、千円以下から高くても数万円くらいで購入でき、お手ごろなのでお勧めです。

ただ、アンティーク着物は昔の人のサイズに合わせて作られていますので、背の高い人や腕が長い人の場合、サイズが大幅に合わないかもしれません。

そのため、着付けの際に苦労することもありますので、自分に近いサイズの着物が見つけられなければ、現代ものの着物を選んでみることをお勧めします。現代ものの着物の場合も、自分サイズに仕立ててもらわない限り、ピッタリのサイズがあるとは限らないのですが、それでもアンティーク着物よりはしっくりくるかと思います。

どんなふうに着物を着たいのかが大事

着物を選ぶ前に、ひとつ考えて欲しいことがあります。それは、どんなふうに着物を着たいのか、どんな楽しみ方をしたいのか、ということです。結婚式のお呼ばれや、パーティーなどで着物を楽しみたい、という人がアンティークの普段着のような着物を選んでも着る機会がありませんし、普段着の着物を楽しみたい人が訪問着などを選んでしまうと、とても恥ずかしくて普段着ることはできません。

そのため、自分がどうしたいのかをよく考えて着物を選ぶようにしなければいけません。

洋服で地味目な色を選びがちな人は、着物でも同じようなことをしようとします。

しかし、普段派手な色の洋服を着ない人でも、着物に限ってはどんどん新しい色にチャレンジしてみて欲しいです。また、着物は畳まれた状態や衣紋掛けに掛けてある状態だけを見て選ぶのではなく、必ず身体にあてて選ぶようにしましょう。そうすると、意外な色の着物がとても似合うことを知ったり、好みの着物なのに自分には似合わないかもしれないと、判断することができるようになりますよ。

着物は洋服とは違うもの

着物は洋服とは違い、着物は同じでも帯や半衿、帯揚げなどの小物の組み合わせ方を変えるだけで、がラッと雰囲気が変わります。

そのため、はじめのうちは、何枚も着物を揃えられなくても、小物からいろいろ集めてみて着物ひとつで幅の広い着こなしをするようにしてみましょう。そうすることで、着物の楽しみを、身を持って発見することができるはずです。

着付け教室について

着物の着付けを覚えるために、着付け教室へ通う人がいます。もちろん着付け教室に通うことはよいことだと思うので構わないのですが、ただ着物を楽しみたいと思っている人は、わざわざ高いお金を払ってまでして着付け教室に行かなくてもいいのではないかと思います。

着付けというのは、何度か人に教えてもらって練習していくうちに、自然と覚えられるもので、着物を着ること自体はそんなに難しいものではないからです。

そのため、友人や家族で着付けができる人に教えてもらったり、着物屋さんに相談すると無料で教えてくれるところもあります。そのような人やお店を見つけられないのであれば、数回だけの格安な着付け教室に通ってみるのもいいでしょう。

ここでいう着付け教室というのは、本格的な着付け教室のことではなく、個人でやっているような着付け教室のことです。一万円くらいで、ひととおり着物の着付けができるようになりますよ。細かいところはその後も、試行錯誤を繰り返しながら自分で勉強していく必要はありますが、だいたいの着付けができるようになれば、あとは自然にどうとでもなるものなのです。

着付け教室は、「どれぐらい学びたいか?」で判断

本格的な着付け教室は、きちんとした着物の知識を学びたいとか、着付け師の資格を取りたいという、もっと着物の道を極めたい人に向いていると思います。かかるお金はたいへん高額になりますし、きちんとした目的がなくこのような着付け教室に入ってしまうと、勧誘めいた言葉に乗せられて、いろいろな道具を購入してしまったり、一生着ないような着物を購入してしまったりします。

ただ着物を習いたい、という理由で通いはじめるのは構わないのですが、着物初心者であるがゆえ、足もとを見られてしまう傾向があるようです。

もちろん、中にはとても親切で良心的な着付け教室もありますので、一概には言えませんが、着付け教室に通って嫌な思いをしてしまったばっかりに、着物まで嫌いになってしまうことがないようにして欲しいと思っています。

是非、着物を着られるようになって、その魅力を体感して欲しいのです。

本格的な着付け教室の体験談

本格的な着付け教室の体験教室というのに参加したことがあります。

そのときに驚いたのですが、本格的な着付け教室は、本格的な着付けを教えてくれない、ということです。

どういうことかと言いますと、伝統的な道具を使って着付けをするのではなく、最近になって考案されたような何とも着物とは縁のないような器具を使って着付けをするのです。帯を結ばずに器具を使って背中にお太鼓を作ったりするのですが、これは何か違うとわたしは思いました。

高いお金を払わず、親切な人から着付けを教えてもらったり、自分で本を見たりして着付けをマスターしている人はたくさんいます。そして、そのマスターした着付け方は、若干自己流のところもあるかもしれませんが、それでも伝統ある着物の着付けを少しでも引き継いだ着方をしているはずです。

それなのに、高いお金を払って着付けを習うと、その伝統は全く引き継がれることなく、器具を使わなければ着付けができない着方しか習えません。

着物は、できることなら簡単に素早くキレイに着付けたいものですが、着物の伝統も少しは残しながら着物を楽しんで欲しいとわたしは思います。衿のあわせを整えるコーリングベルトや、腰紐代わりのゴムバンドなどは、使いやすければどんどん取り入れていってよいと思いますが。そんなことを本格的な着付け教室の体験教室で感じました。

着物とおしゃれの楽しみ方

せっかく着物を着るのですから、おしゃれは存分に楽しみましょう。とは言っても、普段着として着るような着物で、あまりにも気合を入れすぎてしまうと浮いてしまい、野暮ったい印象になってしまいます。さりげなさが大切です。

柄・柄の組み合わせもOK

洋服では難しいですが、着物は、柄・柄の組み合わせが煩くなりません。そんな、洋服ではありえないコーディネートを個性的に着こなすことができている人を見ると、ついつい惚れ惚れしてしまいます。

これはちょっと派手かなあ…と思うような組み合わせでも、着付けてみると素敵だったり、そういうことが着物にはよくあります。

だからと言って、何でもかんでも組み合わせるのはどうかと思います。ちゃんと意味を持たせて半衿と帯揚げの色を揃えてみたり、コーディネートの中でテーマを決めてそのシンボルになるようなものを帯や帯留め、着物など随所に散りばめてみたり、そういう組み合わせ方が素敵だと思います。

夏は襦袢選びにもおしゃれを

また、着物や帯だけでなく、夏場の透ける素材の着物を着るようなときには、襦袢選びにもおしゃれをしたいですね。着物から透けて見える襦袢の色や模様によっては、すごく涼しげな印象を周囲に与えることもできますし、そうやって着物を着ている自分もまた、何だか涼しく感じることができるものです。

夏に着物を着ている人は、とても暑苦しそうだと思う人もいるかと思いますが、ちょっとしたアイデアで、涼しげな着物美人を演出することもできるんですよ!

冬は防寒着でおしゃれを

冬は冬で、着物の楽しみ方も広がります。それは防寒着です。羽織やケープ、ショールのようなもの、冬の防寒対策をしながら、おしゃれも楽しんでしまいましょう。

羽織に抵抗がある人は、ケープなどがお勧めです。モコモコの毛皮のようなケープを首から肩に掛けて羽織っていると、それだけで上品そうな印象にもできますし、可愛らしくもなります。最近では着物用のコートもデザインが素敵なものがたくさん出ていますから、そういったものを選んでみてもよいかと思います。

まだまだある着物のおしゃれ

他にも、着物のおしゃれの楽しみ方はたくさんあります。草履の中敷を自分の好きな布で作ってもらったり、鼻緒を作ってくれる場所もあります。挙げればキリがないほどです。

また、このようなところで、こんな組み合わせが素敵!などと言ってしまうと、それ自体が野暮なことになってしまいます。

そのため、自分らしい粋なおしゃれを是非みなさんで楽しんで探してみてください。そうやって着物の着こなしを考える時間も、着物の楽しみ方のひとつです。そして新たに、着物の楽しみを見つけ出してください。きっとその作業も楽しいはずですから!

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