華やかな着物から、渋い着物、最近ではテレビや雑誌で着物姿を見かけることが多くなりました。着物の着姿からは想像しにくいですが、着物や帯って身に纏ってない状態がどのようなものかご存知でしょうか?布屋さんに行って布を広げる感じと、箪笥から着物を取り出して広げる感じは似ています。帯も胴体に巻いてしまうと分かりにくいですが、長いただの一本の布なのです。
洋服のように、ボタンがあるわけでもないのにどうやって着ているのだろう…着物を着たことがない人には未知の世界だと思います。実際、着物は数本の紐を使って着付けていきます。初めて着付けをしてもらったとき、紐ってこんな使われ方もするんだなあ、などと感心したのを覚えています。
まずは着物の基本です。着物を着る際には紐が必要。というところまでは何となく分かってもらえたかと思います。では、着物と帯と紐があれば着物は着れるのかと言えば、そうではありません。
着物を着るには揃えるものがいくつかあります。着物を着ている人を見てみると、首元に襟のようなものがありますよね。あれは着物に付いているものではありません。実は、着物の下に襦袢という下着のようなものを着ており、その襟に半衿と呼ばれるハギレのような布を縫い付けて外に見せているのです。
着物に興味を持ち始めた当初は、半衿をわざわざ縫わなければいけないということが信じられませんでしたが、毎回着物に合わせた色とりどりの半衿を選んで縫う、というのが、着物の世界では常識であり、その合わせ方がセンスの光る部分でもあるのです。
他にも、着物を着るためには、帯紐、帯揚げ、帯枕、足袋、履物などを準備する必要があります。それらを使って、きれいな着姿を完成させるのはとても大変で、初めのうちは30分~1時間くらいかかってしまう人もいるようです。しかし、慣れてしまえばとても簡単で、10分もあれば着ることができてしまいます。
着物の基本として、次に知っておいて欲しいのは着物の種類です。洋服に、部屋着、通勤・通学服、普段着、デート着、フォーマル服があるのと同じように、着物にもその時々に合った着物というものが存在します。
また、春夏秋冬に合わせて、半袖や長袖、薄着や厚着を使いこなすように、着物にも季節に合わせた装いというものがあります。衣替えという言葉がありますが、洋服ではキッチリとその境界は引かれていません。
夏に長袖の洋服を着ていても、常識外れとまでは言われません。しかし、着物の場合は少し厳しいようです。
季節の移り変わりに合わせて、着物も変えていく必要があります。昔はそれこそ厳しかった着物の衣替えだと思いますが、現代では季節も変化し、冬なのに暖かかったり、夏なのに肌寒かったりしますから、昔ほど衣替えに関してキッチリしなければいけないという感じはなくなってきました。
それでも、真夏に冬の着物を着ているというような人は見ている側としても暑苦しさを覚えますので、ある程度は季節を考えて着物を着たほうがいいとは思います。
ここまで来ると、着物にはいろいろな決まり事があって面倒くさそう…と思う人も出てくるでしょう。しかし、今お話したようなことというのは、着物に慣れてくると「楽しみ」に変わります。
チマチマと半衿を縫う作業や、季節に合わせて着物を箪笥から探す行為自体を楽しめるようになります。また、着物はちょっとしたお洒落を加えるだけで、別の着こなし方も可能です。
着物や帯は高くてたくさん買えなくても、帯揚げや帯締め、半衿などのリーズナブルなものをいろいろ集めて、その日の気分で組み合わせ方を変えたりしておしゃれを楽しむことができますよ。
◆ 現在ではインターネット通販でも着物が購入できます。普段着着物のオンラインショップ「風香」
や京都きもの市場
、伝統作務衣専門の通信販売
などもありますので有効に使いましょう。