着物の着付けを覚えるために、着付け教室へ通う人がいます。もちろん着付け教室に通うことはよいことだと思うので構わないのですが、ただ着物を楽しみたいと思っている人は、わざわざ高いお金を払ってまでして着付け教室に行かなくてもいいのではないかと思います。
着付けというのは、何度か人に教えてもらって練習していくうちに、自然と覚えられるもので、着物を着ること自体はそんなに難しいものではないからです。
そのため、友人や家族で着付けができる人に教えてもらったり、着物屋さんに相談すると無料で教えてくれるところもあります。そのような人やお店を見つけられないのであれば、数回だけの格安な着付け教室に通ってみるのもいいでしょう。
ここでいう着付け教室というのは、本格的な着付け教室のことではなく、個人でやっているような着付け教室のことです。一万円くらいで、ひととおり着物の着付けができるようになりますよ。細かいところはその後も、試行錯誤を繰り返しながら自分で勉強していく必要はありますが、だいたいの着付けができるようになれば、あとは自然にどうとでもなるものなのです。
本格的な着付け教室は、きちんとした着物の知識を学びたいとか、着付け師の資格を取りたいという、もっと着物の道を極めたい人に向いていると思います。かかるお金はたいへん高額になりますし、きちんとした目的がなくこのような着付け教室に入ってしまうと、勧誘めいた言葉に乗せられて、いろいろな道具を購入してしまったり、一生着ないような着物を購入してしまったりします。
ただ着物を習いたい、という理由で通いはじめるのは構わないのですが、着物初心者であるがゆえ、足もとを見られてしまう傾向があるようです。
もちろん、中にはとても親切で良心的な着付け教室もありますので、一概には言えませんが、着付け教室に通って嫌な思いをしてしまったばっかりに、着物まで嫌いになってしまうことがないようにして欲しいと思っています。
是非、着物を着られるようになって、その魅力を体感して欲しいのです。
本格的な着付け教室の体験教室というのに参加したことがあります。
そのときに驚いたのですが、本格的な着付け教室は、本格的な着付けを教えてくれない、ということです。
どういうことかと言いますと、伝統的な道具を使って着付けをするのではなく、最近になって考案されたような何とも着物とは縁のないような器具を使って着付けをするのです。帯を結ばずに器具を使って背中にお太鼓を作ったりするのですが、これは何か違うとわたしは思いました。
高いお金を払わず、親切な人から着付けを教えてもらったり、自分で本を見たりして着付けをマスターしている人はたくさんいます。そして、そのマスターした着付け方は、若干自己流のところもあるかもしれませんが、それでも伝統ある着物の着付けを少しでも引き継いだ着方をしているはずです。
それなのに、高いお金を払って着付けを習うと、その伝統は全く引き継がれることなく、器具を使わなければ着付けができない着方しか習えません。
着物は、できることなら簡単に素早くキレイに着付けたいものですが、着物の伝統も少しは残しながら着物を楽しんで欲しいとわたしは思います。衿のあわせを整えるコーリングベルトや、腰紐代わりのゴムバンドなどは、使いやすければどんどん取り入れていってよいと思いますが。そんなことを本格的な着付け教室の体験教室で感じました。
◆ 現在ではインターネット通販でも着物が購入できます。普段着着物のオンラインショップ「風香」
や京都きもの市場
、伝統作務衣専門の通信販売
などもありますので有効に使いましょう。